Hyggeligt

見て聴いて読んで描くよ

それからはスープのことばかり考えて暮らした

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それからはスープのことばかり考えて暮らした 吉田篤弘

このお店、テイクアウトのみなんだよなーイートインできたらいいのに、と物語の中の店舗に希望をもってしまって、このような絵に。

スルスル読める文章は多分リズムが良いんだとおもう。あっというまに読んでしまったよ。大きくドラマティックな内容ではなくどちらかというと小さく地味。サンドイッチ屋さん、ラーメン屋さんも、映画館も、雰囲気が良くて主人公がどんどん店主と仲良くなっていくので、うらやましい。

すごく「ありそう」な町並み、人物、出来事。
小説の中のスープの匂いや、教会の影をじっくり思い出して、呼んだあとにまた味わうような
モノクロームの世界と行ったり来たりできるような、楽しい本でした。

 

もう一冊読んだ。

ちいさな言葉 俵万智
こどものことばの勘違いって、かわいい。本人が真面目なのでよけいに!
俵万智さんの息子さんとのやりとりを綴った本です。
かといって息子さんだけフォーカスしたわけではなく、季節や日常の事、小さなイベント事も丁寧に書かれている。
すっかり忘れていた言葉を思い出したり、慣れてしまった言葉を改めて見なおしたりできる一冊。
わたしは「なんで靴の中に履いてるのにくつしたなの」とか「ひざこぞうはあるのにうでこぞうはない」とか、そういう事を思っていたなあーと、自分の中のお子様を呼び起こすのが楽しいです。
「ちゅうしゃじょう」はぜったい注射するところだと思っていたし。
寝る前にちょっと読んで笑って、そのあとはノスタルジーな夢を見そう。